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集客・見える化 業務改善コラム

「できます」の説明をやめたら、サイトが信頼のハブになった ——メニュー表から「工程を見せる」設計へ

業務改善コラム / 集客・見える化 / 読了目安:約8分

自社のサービスを紹介するとき、「〇〇ができます」「△△に対応しています」という書き方をしている事業者は多いと思います。私もそうでした。トップページにサービスメニューを4本並べ、それぞれに実績や対応範囲を箇条書きで添えていました。

けれどあるとき気づきました。「できます」は自己申告にすぎない。読んだ人が「で、この人は今どんな仕事をしているの?」と思った瞬間、何も伝わっていないのと同じです。今回はその気づきをもとに自社サイトを全面改稿した話をまとめます。

「できます」を並べ続けていた頃

以前の自社サイトのトップページには、サービスメニューが4本並んでいました。「Webサイト制作」「業務自動化」「EC運営支援」「データ分析」——それぞれにできることを箇条書きで補足し、それなりに整ったページに見えていました。

ところが、実際に問い合わせをいただいた方に状況を聞くと「何をしている会社なのかわかりにくかった」という声が繰り返し出てきました。「できること」を増やすほど、逆に輪郭がぼやける。なぜそうなるのか、しばらく考えてもうまく言語化できませんでした。

あるとき腑に落ちたのは、「できます」と書くことと「やっています」と書くことは、読む人への伝わり方がまったく違うという点です。「できます」は能力の宣言であり、裏付けがなければ誰でも書ける。対して「今週こういう仕事をしました」という事実は、その人でなければ書けません。読んだ人は、前者を流し読みし、後者で立ち止まります。

メニュー表を撤去して「工程」1本に絞った

改稿で最初にやったのは、サービスメニューの羅列を全部消すことでした。代わりに置いたのは「自分が実際にどんな工程で日々の仕事をしているか」という1本のストーリーです。EC商品の企画から、コンテンツ生成、在庫管理の自動化、発送作業、売上分析まで——それが1日・1週間の中でどうつながっているかを、具体的に書きました。

同時に、サイトの配色も刷新しました。緑が主役の配色から白ベースに切り替え、視覚的な「主張の強さ」を下げました。派手さを減らすほど、コンテンツが前に出てきます。

工程を見せるとは何か:サービスの羅列ではなく、自分が実際に手を動かしている一連の流れを時系列や文脈で示すことです。依頼を検討している相手は「このプロセスの一部を頼める人がいる」と具体的にイメージでき、問い合わせのハードルが下がります。「何ができるか」より「何をやっているか」の方が、文脈が生まれる分だけ読み手に刺さります。

ブログを主役に据えた理由

「やっています」を証明するのに、記事の蓄積ほど有効なものはありません。「できます」の主張は1行で書けますが、「こういう課題に対してこう考えてこう動いた」という記録は、実際にやった人間にしか書けないからです。

トップページの構成もあわせて変えました。サービス説明のブロックを縮小し、実績記事の一覧グリッドをファーストビューの近くに配置しました。訪問者が最初に目にするのはメニュー表ではなく、自分が積み上げてきた仕事の記録です。

記事が増えるほど「この人はずっとやっているんだな」という印象が生まれます。それはどんなコピーライティングよりも、信頼の証拠として機能します。サービスページは「信頼した後に確認するページ」であって、信頼を生むページではない——そう割り切ったことで、構成の優先順位がはっきりしました。

週次自動公開で「書き続ける」を担保する

ブログを主役にすると決めても、書き続けることは簡単ではありません。日々の業務が立て込んでいると、更新は後回しになります。「更新が止まったサイト」は「活動が止まった事業者」という印象を与えてしまうため、空白期間を作らないことが重要です。

そこで取り入れたのが週次の自動公開の仕組みです。複数の記事をあらかじめ用意しておき、毎週決まったタイミングで自動的に公開されるよう設定します。自分が別の作業に集中している日も、サイトは更新され続けます。

継続の設計:「書く意志」ではなく「書かなくても回る仕組み」を先に作ることで、更新の空白期間が生まれにくくなります。「仕組みが先、意志は後」という考え方は、自動化全般に通じる発想です。書くことへのプレッシャーがなくなると、むしろ書きたいことが自然に浮かびやすくなります。

「見せ続ける」が信頼になる仕組み

改稿してすぐに問い合わせが急増するわけではありません。ただ、数か月が経つうちに、問い合わせの内容が少しずつ変わってきた実感があります。「このサービスはいくらですか」という一言で来る問い合わせより、「こういう状況なのですがどんなことが考えられますか」という問いが増えた印象です。

これは相手がサイトを複数のページにわたって読んだ上で来てくれているサインです。メニュー表だけ見て問い合わせてくる人と、記事を何本か読んで問い合わせてくる人とでは、話の入り方がまったく違います。後者は「この人に頼むかどうか」をある程度決めた状態で来ているため、会話の密度が最初から高い。

売り込みのコピーを磨くより、やり続けていることを可視化し続ける方が、長期的に見てコストが低く、信頼の厚みも増します。

他の事業者が応用するときのポイント

同じ考え方は、事業規模や業種を問わず再現できます。技術的に特殊なことは何もしていません。最初に試してほしいのは3つです。

  • 今週自分がやったことを1つ記事にする:EC出品作業でも、顧客対応でも、書類整理でも構いません。「やった事実+なぜそうしたか」の2点を書くだけで記事になります
  • メニュー表を1本減らす:全部消す必要はありません。一番漠然としているメニューを1本削るだけで、残りがより具体的に見えてきます
  • 公開日を先に決める:「書いたら公開」ではなく「この日に公開する」と決めてから記事を準備します。締め切りが先にある方が書きやすく、自動化との相性も良い
注意:記事の内容は「自分がやったこと」に限定してください。「業界全般のノウハウ」や「一般的な解説」は誰でも書けてしまうため差別化になりません。「私はこの状況でこう判断した」という一人称の事実が、信頼の素材になります。汎用的な情報発信と、自分の仕事を見せることとは、目的がまったく異なります。

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